求人・転職サイトの作り方とは?プロ目線で構築方法をご紹介!
目次
求人・転職サイトとは?
求人・転職サイトとは、BtoCマッチングサイトの1つで、人材を採用をしたい企業が求人情報を掲載して、それに対して求職者が応募をすることができるWebサイトのことです。幅広い業界・業種を取り扱っていたり、特定の業界や業種を取り扱うなど、多くの種類の求人・転職サイトがあります。
求人・転職サイトの種別
大きく分けて4つの種類があります。
どのような種類の求人・転職サイトがあるのかを確認して、作りたい求人・転職サイトの参考にしてみてください。
総合型の求人・転職サイト
業界・業種問わず幅広く求人・転職を取り扱うサイトになります。
代表的なサイトは、リクナビ、マイナビなどがあります。
総合型の求人・転職サイトの特徴として、求職者の方が幅広い業界・業種を検索できるようにしなければならないため、検索機能の箇所は充実したものにしなければなりません。
地域で絞る、業界で絞る、業種で絞るなどの機能が必要になります。
業界特化型の求人・転職サイト
特定の業界の求人・転職を取り扱うサイトになります。
代表的なサイトは、ジョブメドレー、greenなどになります。
業種特化型の求人・転職サイト
特定の業種の求人・転職を取り扱うサイトになります。看護師、介護士、エンジニア、マーケターなど、その業種ごとに特化した求人・転職サイトが存在しています。
代表的なサイトは、看護roo!、レバテック、geeklyなどがあります。
ハイクラス型の求人・転職サイト
総合型に似ていますが、幅広い業種・業態を扱う中でも年収800万円以上などのハイクラスに特化した求人・転職を取り扱うサイトになります。
代表的なサイトとしては、ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウトなどになります。
求人・転職サイトの収益化方法
求人・転職サイトを構築する前に、収益化方法(ビジネスモデル)を考えなければなりません。
求人・転職サイトでは大きく分けて2つの収益化方法があります。これから構築するマッチングサイトに理想的な収益化方法を考えておきましょう。
先行回収型
月額に定額費用を企業から支払ってもらい、求人を掲載するプランになります。
複数のプランを用意し、企業の採用ニーズに応じてプランを設計するのがよいでしょう。
一般的には以下の項目を数によって変えることが多いようです。
- 掲載した求人がサイトの検索上位にくるかどうか
- 掲載できる文章量
- 掲載できる写真の数
- 求職者にオファーできるメールの数
成功報酬型
サイト経由で採用が決定したら、その分の手数料を支払ってもらう形になります。
より多くの求職者の方をサイト経由で決めることが大事となってくるので、求職者の方への手厚いサポートが必要になることが多いです。
収益は以下によって決まってきます。
- 求職者の方の採用が決まった数
- 採用が決まった求職者の方の年収
求人・転職サイトを構築する方法
求人・転職サイトを構築するには、大きくわけて2つの方法があります。
それぞれの構築手法とメリットデメリットを記載しておきます。
パッケージ開発
パッケージでの開発は、求人・転職サイトの共通する機能があらかじめ構築されているシステムをベースにして、求人・転職サイトを構築することです。
メリット
初期の開発費用が安くなりやすい
ベースとなるシステムがあるので初期の開発費用が安くなりやすいです。安ければ300万円以下で求人・転職サイトの構築が可能となります。
初期の開発期間が短くなりやすい
パッケージ開発ではベースのシステムを流用して開発するため、0から構築するスクラッチ開発と比較して初期のリリースまでの時間を短くしやすいです。短くても3ヶ月以内にマッチングサイトの構築が可能となります。
デメリット
カスタマイズ性や自由度が低くオリジナリティがなくなりやすい
ベースとなるシステムに導線やデザインなどを寄せなければならず、オリジナリティが出しづらいです。
月額のパッケージ費用がかかる場合がある
月額でパッケージ費用がかかるものもあります。また、利用するユーザーが多くなるにつれて費用が高くなる場合もあり、月の収益の割合に比べてパッケージ費用が高くなってしまう場合もあります。
スクラッチでの開発
スクラッチでの開発とは、0からすべての機能を開発しサイトを構築することです。
求人・転職サイト自体に他とは差別化された独自性・強み・特色がある場合に、非常に有効な構築方法になります。
メリット
カスタマイズ性や自由度が高くオリジナリティを出しやすい
サイトを0から構築するため、開発する企業のやりたいことを自由に設計して開発することができることができます。そのため、ビジネスモデル、ユーザーの特性、求人・転職サイト運営者の運用フローに沿って導線や機能を作ることができます。
月額のパッケージ費用がかからない
パッケージでの開発は有料のものもあり、月額数千円〜数万円のライセンス費用が必要になる可能性があります。スクラッチ開発では、そのランニング費用がかかりません。
デメリット
初期の開発費用が高くなりやすい
サイトを0から構築するため開発にかかる費用が高くなる傾向にあり、最低でも300万円前後の費用がかかることが多いです。
初期の開発期間が長くなりやすい
サイトを0から構築するため開発にかかる期間が長くなる傾向にあり、初期のリリースまで最低でも3ヶ月前後の期間がかかります。
求人・転職サイトに必要な機能
これまでの弊社でのご相談から、よく出てくる機能を抽出しました。
求職者側に必要な機能
会員登録機能
求職者の方がログイン・ログアウトを行うことができます。
経歴・転職意欲登録機能
求職者の方が過去の経歴や転職意欲を登録する機能となります。これによって企業側に魅力的な
検索機能
掲載されているスキルを検索する機能となります。特にリクナビ・マイナビなどの総合型の求人・転職サイトでは、求職者の方が求人を探しやすいように、より詳細な絞り込みの機能が必要になってきます。
チャット機能
掲載企業と求職者の方の間でコミュニケーションを取るための機能となります。
お気に入り機能
求職者の方が求人を後で確認したい際や他の求人と比較したい際などに利用する機能となります。
応募する機能
求職者の方が企業に話しを聞きに行きたい旨を連絡する機能となります。
企業側の機能
会員登録機能
企業の方がログイン・ログアウトを行うことができます。ここではID・パスワードの1つのアカウントのみで企業の方がログインできるようにする、もしくは、企業ごとに3名まで登録できるようにしてログインできるようにするなどを選択する必要があります。
求職者へのオファー機能
求職者の方へオファーをすることができる機能です。
チャット機能
掲載企業と求職者の方の間でコミュニケーションを取るための機能となります。
応募管理機能
求職者の方が応募してきたことを管理する機能になります。選考がどこまで進んだのかのステータスまで管理するのかなどは開発にかけられる予算によって変わってくるところかと思います。
管理者向け機能
企業管理機能
企業を管理する機能です。企業情報に不適切なことが記載されている場合や求職者の方へ不適切なコミュニケーションをとっている場合に、アカウント停止などの処理をしたい際などに利用します。
求人管理機能
企業が掲載している求人を管理する機能です。掲載情報に不適切なことが記載されている場合に掲載を停止する処理をしたい際などに利用します。
求職者管理機能
求職者を管理する機能です。不適切なユーザーが登録している場合にアカウント停止などの処理をしたい際などに利用します。
おすすめ求人機能
サイト運営者がサービスをおすすめして表示することができる機能となります。例えば、「独立・企業仕立ての人におすすめのサービス」というように商品をおすすめして表示することで、サイトの流通額を伸ばすことに繋がります。
求人・転職サイトを構築する流れ
サービスの特色・強み・独自性を定める
世の中にはすでに多くの求人・転職サイトが存在しています。その中でより収益が上がる求人・転職サイトを構築するためには、サービスの強みや独自性が必要になります。
例えば、特定のジャンルに特化している、手数料が他サイトに比べて安い、これまでにない収益モデルなどさまざまな特色・強み・独自性を考えることができます。
開発に着手する前にきちんと整理しておくことで、特色・強み・独自性に沿った導線設計を行うことができるようになります。
ビジネスモデル(収益化方法)を定める
ターゲットが決まったら、そのターゲットが課金したくなるポイントに合わせて課金ポイントを設計することが大事になります。その課金ポイントに合わせて、構築する求人・転職サイトの特色・強みを考えオリジナリティや独自性を出していきます。特色、強み、独自性のある求人・転職サイトを構築しても、ビジネスモデルの設計を間違ってしまうと、収益を得ることができずに撤退することになってしまいます。
各々のユーザーに必要な機能や仕様を洗い出す
収益化方法に応じて、企業が決済したくなるような機能や設計をしていきます。ここで大事なのは企業の採用の成功する同じような種類の求人・転職サイトでも、収益化方法が違ってくると機能や要件も異なってきます。
例えば、特定の機能を使うためには課金をしていただくのであれば、課金していない企業はその機能を使うことがd系ないというような開発が必要になります。
特に注意するべきは管理者向けの機能
特に見落としがちなのは管理者向けの機能です。例えば、不適切な求職者が登録してきた場合や、不適切な求人が掲載された際に、求職者のアカウントを停止したり掲載を削除しなければならなくなります。
また、成功報酬にも関わらず、企業と求職者がサイト経由で採用にいたったということが把握できる仕組みを構築しなければなりません。
デザインの作成
構築する求人・転職サイトで表現したい世界観に合うデザインを作成します。また、設計した要件や仕様をデザインとして表します。
システムの実装・開発
システムの実装・開発を行います。
テスト・デバッグ
テストやデバッグを行います。
本番データ入れ込み
サイトを運営するのにあたり必要なデータを入れ込みます。例えば、地域のデータや業界・業種のカテゴリーの登録などが必要になります。
リリース・サービス開始
リリースしてサービスを開始いたします。
求人・転職サイトの構築は自作?外注?
求人・転職サイトを構築することが初めて、エンジニアではない、WordPress・ノーコードツールに知見がない場合には、システム開発会社や知り合いのエンジニアに構築を依頼した方がよいです。
休日に趣味でDIYをやっている人が、人が住む家を作るのが難しいことや作れたとしても安心できないのと同じように、システム開発でも同じように構築までに非常に時間がかかったり、できたとしてもユーザーに使ってもらえないくらいバグや不具合が起きてしまうなどがあります。
そのため、求人・転職サイトは信頼できるシステム開発会社や知り合いのエンジニアに構築を依頼するのがよいでしょう。
求人・転職サイトを構築する際の注意点
独自でのWordPress・ノーコードツールでの開発はやめた方がいい
最近ではWordPressやノーコードツールでエンジニアでなくても独自で求人・転職サイトの構築ができるようになってきています。ですが、それらのツール・技術の知見が少ない状態で複雑なシステムである求人・転職サイトを構築する場合には注意が必要です。
WordPressやノーコードツールで求人・転職サイトを構築すると、追加での開発がしづらくなり機能拡張やユーザーが増えた際にサーバーが落ちるなどの障害が起きる可能性が高いです。
また、そのような状態で開発会社にきた場合には、再度作り直しましょうというお話になることも多いです。弊社がご相談いただく案件の中でも「結局WordPressでは構築できなかった」「ノーコードで作ったサイトが使い物にならない」というお話をいただくこともあります。
独自でWordPressやノーコードツールを使って開発する場合には、「単純な求人・転職サイトである」「今後の機能拡張は考えない」「機能拡張が必要になった場合には再度作り直す」という前提で開発を行っていきましょう。
外注する場合には企画・設計が弱い開発会社には依頼しない方がいい
開発会社の中にはクライアントから言われたものだけを作るという開発会社が多くあります。企画・設計が弱い開発会社に発注をしてしまうと、構築する求人・転職サイトのビジネスモデル(収益方法)に適切な設計や導線を作ることができずに、作れたとしても収益がたたずに赤字になって撤退してしまうことにもなります。そのため、費用が少し高くなったとしても企画・設計に強い開発会社に依頼することをお勧めします。
維持費用(サーバー費用)
どのような構築方法でもインフラ代金(ドメイン代、サーバー代、データベース代)などで約3万円が月々にかかります。
求人・転職サイトを運営していくには、年間約36万円は最低限確保することが必要になります。
集客に費用や時間がかかる
求人・転職サイトを作ったら自然とユーザーが集まってくるかと言えばそうではありません。SEO対策、広告、SNSなどでのユーザーの集客、企業への地道な営業活動などを通して、構築した求人・転職サイトを利用するユーザーや企業を集めることが必要になります。
さいごに
この記事では、求人・転職サイトの作り方についてを解説しました。
求人・転職サイトを作り込む場合には、検索機能の詳細化、業種・業界、スキルなどの詳細な情報の登録などが必要になってきます。
しかし、複雑な機能を作れば他の求人・転職サイトとは違った独自性や強みを持つことができ、差別化に繋がります。
TECH LUCKでは、収益化まで意識した求人・転職サイトの開発を支援することが可能です。
求人・転職サイトに限らず、システム構築やシステム開発でお困りごとがございましたら、無料相談を受け付けていますのでお気軽にお問い合わせください。