スキルシェアサイトの作り方とは?プロ目線で構築方法をご紹介!
目次
スキルシェアサイトとは?
スキルシェアサイトとは、個人が保有している技術・知識・経験を商品やサービスとして販売し、それを必要とする企業や個人が購入するというサイトになります。
例えば、本業でプログラミングのスキルを身につけた人が、休日などの隙間時間に企業のホームページを作成することや、豊富なマーケティングの経験のある人が、企業のマーケティングのアドバイスなどをするなどです。
近年ではインターネットの普及やリモートワークの推進などにより、販売者と購入者が離れた場所などでも、技術・知識・経験を提供することができるようになってきており、スキルシェアサービスの市場は年々伸びています。
スキルシェアサイトの分類と代表的なサイト
世の中にはさまざまな種類・分野のスキルシェアサイトがあります。
総合型
さまざまな種類のスキルを出品したり、働き手を募集することができます。プログラミングやデザインなどの専門分野から、記事執筆やアンケートなど簡単な作業など、幅広い仕事があるためさまざまな属性の方が登録しています。
代表的なサービスは以下になります。
- ランサーズ:https://www.lancers.jp/
- クラウドワークス:https://crowdworks.jp/
- ココナラ:https://coconala.com/
- クラウディア:https://www.craudia.com/
特化型
家事・育児・ライフスタイル
主に家事や育児などのライフスタイルに特化したスキルを出品したり、働き手を募集することができます。日中時間のある主婦・主夫の方やフリーランスの方が登録しています。
代表的なサービスは以下になります。
- タスカジ:https://taskaji.jp/
- キッズライン:https://kidsline.me/
- Casy(カジー):https://casy.co.jp/
- タイムチケット:https://www.timeticket.jp/
相談系
主に過去の経験などから相談をされたらアドバイスをするサービスになります。仕事での豊富な経験がある方やコーチングなどの資格を取得している方が登録しています。
代表的なサービスは以下になります。
- ビザスク:https://visasq.co.jp/
- Cotree(ことりー):https://cotree.jp/
レッスン・講座系
出品者がそれぞれの得意分野でレッスンや講座を売ることができるサービスになります。過去にやってた知識を体系化して教えていきたいという方が登録しています。
代表的なサービスは以下になります。
マッチングサイトを構築する手法とメリット・デメリット
スクラッチでの開発
スクラッチ開発とは、0からすべての機能を実装しサイトを構築することです。
スクラッチ開発のメリット
カスタマイズ性や自由度が高くオリジナリティを出しやすい
サイトを0から構築するため、開発する企業のやりたいことを自由に設計して開発することができることができます。ビジネスモデル、ユーザーの特性、マッチングサイト運営者の運用フローに沿った開発を行うことができます。
月額のパッケージ費用がかからない
パッケージでの開発は有料のものもあり、月額数千円〜数万円のライセンス費用が必要になる可能性があります。スクラッチ開発では、そのランニング費用がかかりません。
スクラッチ開発のデメリット
初期の開発費用が高くなりやすい
サイトを0から構築するため開発にかかる工数が多くかかりやすく、最低でも300万円前後の費用がかかります。
初期の開発期間が長くなりやすい
サイトを0から構築するため開発にかかる工数が多くかかりやすく、初期のリリースまで最低でも3ヶ月前後の期間がかかります。
パッケージでの開発
パッケージでの開発は、マッチングサイトの共通する機能があらかじめ構築されているシステムをベースにして、マッチングサイトを構築することです。
パッケージ開発のメリット
初期の開発費用が安くなりやすい
ベースとなるシステムがあるので初期の開発費用を安くなりやすいです。安い場合には、300万円以下でマッチングサイトの構築が可能となります。
初期の開発期間が短くなりやすい
パッケージ開発ではベースのシステムを流用して構築するため、0から構築するスクラッチ開発と比較して初期のリリースまでの時間を短くなりやすいです。短い場合には、3ヶ月以内にマッチングサイトの構築が可能となります。
パッケージ開発のデメリット
カスタマイズ性や自由度が低くオリジナリティがなくなりやすい
ベースとなるシステムに導線やデザインなどを寄せなければならず、オリジナリティが出しづらくなります。
月額のパッケージ費用がかかる場合がある
月額でパッケージ費用がかかるものもあります。また、利用するユーザーが多くなるにつれて費用が高くなる場合もあり、月の収益の割合に比べてパッケージ費用が高くなってしまう場合もあります。
マッチングサイトを開発するまでの流れ
誰のどの課題を解決するのか(ターゲット)を定める
誰のどの課題を解決するのか定めます。ここを見誤ると誰にも刺さらないマッチングサイトになってしまい、ほとんど利用されることがなく収益をあげることができなくなります。
ビジネスモデル(課金ポイント)を定める
ターゲットが決まったら、そのターゲットが課金したくなるポイントに合わせて課金ポイントを設計することが大事になります。その課金ポイントに合わせて、構築するマッチングサイトの特色・強みを考えオリジナリティや独自性を出していきます。ターゲット選定がよく、使いやすい、独自性のあるマッチングを構築しても、ビジネスモデルの設計を間違ってしまうと、収益を得ることができずに撤退することになってしまいます。
サービスの特色・強み・独自性を定める
世の中にはすでに多くのマッチングサイトが存在しています。その中でより収益が上がるマッチングサイトを構築するためには、サービスの強みや独自性が必要になります。
例えば、特定のジャンルに特化している、手数料が他サイトに比べて安い、これまでにない収益モデルなどさまざまな特色・強み・独自性を考えることができます。
開発に着手する前にきちんと整理しておくことで、特色・強み・独自性に沿った導線設計を行うことができるようになります。
各々のユーザーに必要な機能や仕様を洗い出す
課金ポイントに対して各々のユーザーがスムーズに遷移されるようにサイトや機能を設計していきます。同じような種類のマッチングサイトでも、課金ポイントが違ってくると機能や要件も異なってきます。
特に注意するべきは管理者向けの機能
特に見落としがちなのは管理者向けの機能です。例えば、不適切な会社や事業が運営しているサイトに掲載された際に、掲載を停止させなければならなかったり、ユーザーのアカウントを停止させなければならなかったりします。サービス運営が始まる前に、管理者がどのようにサイトを運営していくのか設計し、フローを整えることが大事になります。
また、手数料をいただくモデルにも関わらず、ユーザー同士の個人情報のやりとりなどを許可してしまいサイトの外部でやりとりが行われてしまうと、収益を得られなくなる可能性もあるので注意が必要です。
デザインの作成
サイトで表現したい世界観に合うデザインを作成します。また、設計した要件や仕様をデザインとして表します。
システムの実装・開発
システムの実装・開発を行います。
テスト・デバッグ
テストやデバッグを行います。
本番データ入れ込み
サイトを運営するのにあたり必要なデータを入れ込みます。例えば、商品のカテゴリーをあらかじめ登録したり、タグなどの登録が必要になります。
リリース・サービス開始
リリースしてサービスを開始いたします。
スキルシェアサイトに必要な機能
必須機能(なくてはならない機能)
会員登録機能
サイトの利用時のユーザーのログイン・ログアウトを行うことができます。スキルの販売者・購入者のそれぞれに必要となります。
検索機能
販売しているスキルを検索する機能となります。クラウドワークスやランサーズなどのさまざまなスキルが登録される場合には、どのカテゴリーなのかを選択して検索させたり、スキルの価格で絞り込みができるようにすることが必要になります。
決済機能
スキルを購入する際に決済する機能となります。クレジットカード決済が主な機能となります。また、スキルシェアサイトの場合には、エスクロー決済の仕組みが必要になる場合があります。
決済機能を作る場合にはきちんとした知識を持っている会社や人に依頼をしましょう。
エスクロー決済については以下の記事に詳しく載っています。
https://topcourt-law.com/finance/escrow_service_mechanism_and_regulations
チャット機能
スキルの販売者と購入者でコミュニケーションを取るための機能となります。双方向でやりとりができるようにしたりしなければなりません。
クチコミ機能
スキルを購入した人が、スキルを販売者や商品を評価することができる機能となります。
オプション機能(あったらいいなという機能)
本人確認・年齢確認機能
運転免許証やパスポートなどで本人を確認することができる機能です。特に決済機能がついている場合には、スキル販売者の身元を確認してから出品が可能な形にしないと、サイト上で詐欺などが発生する可能性も出てきます。
おすすめサービス機能
サイト運営者がサービスをおすすめして表示することができる機能となります。例えば、「独立・企業仕立ての人におすすめのサービス」というように商品をおすすめして表示することで、サイトの流通額を伸ばすことに繋がります。
お気に入り機能
スキル購入者がサービスを後で確認したい際などに利用する機能となります。
ランキング機能
出品されているスキルをランキングで表示することができる機能となります。例えば、「月間販売数ランキング」「月間の販売額ランキング」というように商品をおすすめして表示することで、サイトの流通額を伸ばすことに繋がります。
スキルシェアサイトを構築する際の注意点
企画・設計が弱い開発会社には発注しない方がいい
開発会社の中にはクライアントから言われたものを、そのまま作るという開発会社が多くあります。そのため、企画・設計が弱い開発会社に発注をしてしまうと、作りたいスキルシェアサイトに適切な収益ポイントに適切な設計や導線を作ることができず、売上が立たず赤字になり撤退してしまうということもあり得ます。そのため、費用が少し高くなったとしても企画・設計に強い開発会社に依頼することをお勧めします。
ノーコードツール・WordPressを利用すると言われた場合には注意した方がいい
最近ではWordPressやノーコードツールでサイトの構築ができるようになってきています。ですが、それらのツール・技術で、複雑なシステムであるスキルシェアサイトを構築する場合には注意が必要です。
WordPressやノーコードツールでスキルシェアサイトを構築すると、追加での開発がしづらくなり機能拡張やユーザーが増えた際にサーバーが落ちるなどの障害が起きてしまう可能性が高いです。
弊社がご相談いただく案件の中でも「結局WordPressでは構築できなかった」「ノーコードで作ったサイトが使い物にならない」といったお話をいただくこともあります。
WordPressやノーコードツールを使って開発する場合には、「機能が少なく単純なスキルシェアサイトである」「今後の機能拡張は考えない」「機能拡張が必要になった場合には再度作り直す」といった前提で開発をした方がいいでしょう。
維持費用(サーバー費用)
どのような構築方法でもインフラ代(ドメイン代、サーバー代、データベース代)などで月々に約3万円かかります。
スキルシェアサイトを運営していくには、開発費の他に年間約36万円は最低限確保することが必要になります。
集客に費用や時間がかかる
スキルシェアサイトを作ったら自然とユーザーが集まってくるかと言えばそうではありません。SEO対策、広告、SNSなどでのユーザーの集客、企業への地道な営業活動などを通して、構築したマッチングサイトを利用するユーザーや企業を集めることが必要になります。
さいごに
この記事では、スキルシェアサイトの作り方についての一連の流れを解説しました。
スキルシェアサイトなどのマッチングサイトを作り込む場合には、決済機能やチャット機能など、複雑な機能が多くなります。
しかし、複雑な機能を作れば他のスキルシェアサイトとは違った独自性や強みを持つことができ、差別化に繋がります。
TECH LUCKでは、収益化まで意識したマッチングサイトの開発を支援することが可能です。
スキルシェアサイトに限らず、システム構築やシステム開発でお困りごとがございましたら、無料相談を受け付けていますのでお気軽にお問い合わせください。